「こんなに沢山の中から、どれを選べばいいか分からないよ!」
と思ったこと、ありませんか?

確かに5891本の中から1本を選ぶのはとても大変。
ですが選び方を知っていれば、想像しているよりも簡単です。

インデックスファンド選びで重要なのは、次の3つのポイント。

  1. コスト
  2. 純資産
  3. 信託期間

この記事では、選び方のポイントを投資初心者にも分かりやすく丁寧に解説します。

選び方が分かっても、最初から上手くできるか不安・・・。
という方も安心してください!
記事の後半で、インデックス投資デビューにふさわしいファンドを紹介します。

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インデックスファンドの選び方

インデックスファンドの選び方

インデックスファンドの選び方、重要ポイントは以下の3つ。

  1. コスト
  2. 純資産
  3. 信託期間

それぞれ詳しく見ていきましょう。

【ポイント1】コストが安い投資信託を選ぶ

コストにもいくつか種類があります。

  • 信託報酬
  • 隠れコスト
  • 購入時手数料

特に気にしておきたいのが、信託報酬隠れコストです。

信託報酬

信託報酬とは、インデックスファンドの保有額に応じて定率で支払う手数料です。

年率0.1%を下回るものから、年率1%を超えるものまで。
投資信託によって10倍以上の差があります。

インデックスファンドの期待リターンは年率4%ほど。
信託報酬が高いものを選んでしまうと、せっかくのリターンが手数料に消えてしまいます。

わたしがインデックスファンドを選ぶときは、信託報酬0.2%以下を目安にしています。

隠れコスト

投資信託を保有すると信託報酬だけではなく、『隠れコスト』がかかります。

監査費用や、株式売買の手数料などが含まれるコストです。
投資信託の決算までは具体的なコストが分からないのがその特徴。

実際に計算するには運用報告書を見ます。

試しにeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の隠れコストを計算してみます。

右側の運用報告書の赤枠内を計算してみると・・・。
0.012+0.000+0.032=0.044%
信託報酬0.119%に対して、隠れコストが0.044%。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、隠れコストが信託報酬の半分以下でした。
ですが中には隠れコストが信託報酬よりもかなり高い、罠のような投資信託もあります。

なので隠れコストが信託報酬より極端に高くない投資信託を選びましょう。

購入時手数料

最近はノーロードと呼ばれる、購入時手数料ゼロの投資信託が増えてきています。

基本的にはノーロードの中から選びましょう。

【ポイント2】純資産が右肩上がりに増えている投資信託を選ぶ

純資産が多い投資信託にはいくつかのメリットがあります。

  • コストが安くなる
  • 繰上償還(投資信託の運用が終わる)リスクが下がる

なので純資産額が高い投資信託を選びましょう。

具体的な基準は以下の2点。

  1. 純資産額が30億円以上あること
  2. 純資産額が右肩上がりに増え続けていること

【ポイント3】信託期間が無期限の投資信託を選ぶ

インデックス投資は15年以上の長期投資を前提としています。
なので選ぶべき投資信託も、長期間の運用を想定しているものです。

長期運用を前提としている、信託期間が無期限の投資信託を選びましょう。


ここまで解説してきた3つのポイント、隠れコスト以外は全て、目論見書に載っています。
それだけでなく、目論見書を読めると、投資信託についてもっと深く理解できるんです。


  1. コスト
  2. 純資産
  3. 信託期間

この3ポイントを押さえていれば、大きなハズレを引くことはありません。

でも6000本近くもあるインデックスファンドの中から、たったひとつなんて選べないよ!
というあなたに朗報です。

金融庁のお墨付き、厳選ファンド173本の中から選べばいいんです。

【初心者向け】つみたてNISA対象173本のインデックスファンドから選ぶ

つみたてNISAって知っていますか?
簡単にいうと、年間40万円まで非課税で運用できるお得な制度です。

なぜ突然つみたてNISAなのかというと・・・。
金融庁が指定した、長期投資に適した173本のインデックスファンドから選べるから。

長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(対象商品についてはこちら)
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
・販売手数料はゼロ(ノーロード)
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

上記基準に当てはまる、厳選インデックスファンド173本!

6000本の中から選ぶよりはずいぶん簡単になりましたよね。

それでもまだ迷ってしまう?
そんなあなたには、絞りに絞った4本をご紹介します。

でもその前に少しだけ。
インデックスファンド選びで、陥りがちな罠の話をさせてください。

【番外編】インデックスファンドを選ぶとき参考にしてはいけないポイント4選

インデックスファンド選びでは、重要そうに見えて、実は全く意味のないポイントがあります。

これらの情報には価値がない、と知っている。
それだけでかなりのノイズを排除できます。

  1. 新しい投資信託には要注意
  2. 過去の実績は将来のリターンと無関係
  3. ランキングや格付けで選ばない
  4. 基準価額や分配金は気にしない

ひとつずつ見ていきましょう。

新しい投資信託には要注意

投資信託は毎年たくさん新設され、償還されます。
沢山の新商品が発売されては、廃止されていく市場です。

目新しい投資信託は、運用実績が無くて良し悪しを判断できません。
隠れコストを計算するにも、一度は決算を迎えていないとダメです。

基本的には3年程度の運用実績がある投資信託を選びましょう。

過去の実績は将来のリターンと無関係

1980年代以前、高度経済成長期からバブルにかけて、日本経済は絶好調でした。
ですが2021年現在、日経平均は未だに最高値を更新できずにいます。

このことからわかる通り、過去の実績は将来のリターンと無関係です。

どれだけ高い実績があっても、投資信託を選ぶ参考にはなりません。

ランキングや格付けで選ばない

ランキングや格付けは過去の実績をベースにしています。
つまりどれだけ評価が高くても、これからも同じ実績を出し続けるかは別問題です。

またランキングは、売り手が儲かり、買い手にはコストの高い商品が上位に来ることがあります。

自分で選ぶのが難しいとしても、ランキングや格付けを参考にするのはやめましょう。

基準価額や分配金は気にしない

基準価額が右肩上がりに成長しているかは重要です。
しかし基準価額が高いか・低いかは、投資信託選びで参考になりません。

また投資信託は分配ではなく、元本の成長がメインです。
毎月分配金が貰えるかどうかは重要ではありません。

むしろ分配金が無く、内部で再投資する投資信託の方が、複利効果を最大限生かせて投資効率が高いです。

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お待たせしました。
次はインデックス投資デビューに最適のファンド4本を紹介します。

インデックスファンドのオススメ4選

「選び方は分かった、でもそれでも選べない!」
というあなたに贈る、インデックス投資デビューに最適のファンド4選。

コストが安い投資信託を4本紹介します。

  • 米国株

    eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
    SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

  • 全世界株

    eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
    SBI・全世界株式インデックス・ファンド

4本とも全て、つみたてNISAの対象にもなっているインデックスファンドです。
選び方の重要ポイント3点を表にまとめたので参考にしてください。

注意事項

ここで紹介する投資信託を買ったら必ずもうかる、というわけではありません。
投資に絶対はありません。

今後成長するであろう指数に連動した、コストの安い投資信託を紹介します。
しかし短期的には上がり下がりを繰り返し、元本を割り込むこともあるでしょう。

それらを理解したうえで、最終的な投資判断は自己責任でお願いします。

オススメ米国株インデックスファンド

販売手数料 信託報酬 隠れコスト 純資産額 信託期間
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0% 0.10% 0.06% 5,713億円 無期限
SBI・V・S&P500
インデックス・ファンド
0% 0.06% 不明 2,834億円 無期限

米国株に魅力を感じるなら2本のうち、どちらかをオススメします。
どちらを選んでも誤差の範囲です。

SBI・V・S&P500の取り扱いはSBI証券のみ。
ほかの証券会社を利用している方は、必然的にeMAXIS Slim米国株式(S&P500)になります。

※SBI・V・S&P500は2021年6月末に新設されたばかりで、まだ隠れコストは分かりません。
『SBI・バンガード・S&P500』というファンドの名前が変わっただけなので、同水準(0.05%程度)かなと予想。

オススメ全世界株インデックスファンド

販売手数料 信託報酬 隠れコスト 純資産額 信託期間
eMAXIS Slim全世界株式
(オール・カントリー)
0% 0.11% 0.11% 2,486億円 無期限
SBI・全世界株式
インデックス・ファンド
0% 0.07% 0.09% 309億円 無期限

お次は全世界株。
こちらもどちらを選んでも誤差程度の差です。

米国株と同じく、SBI・全世界株式インデックス・ファンドの取り扱いはSBI証券のみです。

米国株と全世界株のどちらがよいか、それは誰にもわからない

米国株と全世界株、どちらの方がより良い選択肢なの?
と、気になる方もいるかもしれません。

『答えは出せない』というのが結論です。
これからも米国一強が続くのか、はたまた別の国が急激に成長するのか、未来は誰にもわかりません。

答えは無い、だけでは面白くないですよね。
米国株派と全世界株派のメジャーな主張を集めてみました。
あなたはどちらに共感しますか?

米国株派の主張
  • 世界トップの経済大国だから
  • 全世界株より米国株の方がリスクが低いから
  • 全世界株より米国株の方が安全でコストが安いから
全世界株派の主張
  • 米国一強が続くとは限らないから
  • 米国経済も停滞するタイミングがくるから
  • 自動的に最適なポートフォリオに修正されるから

ちなみにわたし自身は全世界株派です。
その理由は投資に時間をかけたくないから。

どの国が成長するかを考えるまでもなく、寝かせておくだけで人類成長の恩恵をおすそ分けしてもらえる。
インデックス投資のコンセプトにもピッタリです。


米国株と全世界株の中身をより詳しく知れば、また違った視点が得られるかも。
興味がある方は、以下の記事もオススメです。

米国株か全世界株で小額から投資経験を積んでみよう

米国株か全世界株で小額から投資経験を積んでみよう

いまは100円からインデックス投資を始められる時代です。
興味があれば実際に始めみてはどうでしょうか。

自分で体験しないと分からないことは多いです。
特に資産の値動きに対して抱く感情は、本やブログをどれだけ読んでも分かりません。

この記事で解説したファンド選びの3つのポイント。

  1. コスト

    信託報酬・隠れコスト・購入時手数料が安いこと

  2. 純資産

    純資産額が30億円以上あり、右肩上がりに増えていること

  3. 信託期間

    信託期間が無期限に設定されていること

これを駆使して、面白そうなファンドを探してみましょう。

参考サイト

記事執筆にあたり、参考にさせていただいたサイトの一覧。