今回インタビューさせていただく、ひろにさんを紹介します。
- 50代男性
- 片働き
- お子さん2人
- 投資経験8年
配当が欲しかったら高配当株。
具体的には日本の個別株か米国高配当ETF。
だけだと思っていませんか?
この2つしか選択肢になかったあなたには、もしかしたらインフラファンドがピッタリ当てはまるかもしれません。
どうやってインフラファンドに出会い、そして投資するようになったのか。
そのいきさつを伺ってきました。
バブル崩壊から始まった投資活動

まずは投資を始めたきっかけから教えてください。

30年ぐらい前、就職した当初になるんですけども、その時代って定期預金の利率が5%以上あったんですよね。

30年前っていうと、ちょうどバブルの頃ですか?

そうですね、バブル時代です。
定期預金の利率5%以上、いい時代ですよね、本当に。
だからお金を増やす=貯金するっていうのが当たり前の時代だったんですよ。
なので貯金を少しずつ貯めてましたと。

利率5%もあれば貯金って魅力的ですね。

その後はご承知の通りバブルが崩壊して、定期預金の利率が激減するんですけどね。

そのときどれぐらいまで下がったか覚えてますか?

1年ぐらいで1%以下まで下がったと思いますね。

そこまで下がったら、定期預金で拘束されるのは確かに微妙な感じですよね。

そうですね、0.1%ってなっちゃうと、ほとんど増えない感じじゃないですか。
最近は0.1でも高いんですけどね(笑)

そうですよね(笑)

だからそのときに色々考えて、元々どこか預け先ないかなって探すのも結構好きだったんで。
それが1995年から2000年くらいで、外貨預金ならまだ3%~4.5%とかあったのかな、その頃。

外貨預金ってそんなに良かったんですね。

利率良かったですよ。
日本の金利は低いけど、オーストラリアとかニュージーランドの外貨預金っていうのは結構利率も高いし、比較的先進国で安定してましたね。

なるほど。

トルコリラとか南アフリカとか、そういうとこの方がもっとすごい金利が付いたんですけど、さすがにちょっとそこは危ないかなと思って。

トルコリラは今でも危ない通貨の代名詞みたいになってますもんね(笑)

ただあるときですね、銀行の外貨預金ってすごく手数料が高いということに気付きまして。

確かに高い。

そこからFXにいったんですよね。
トレーダー的に短期で儲けるというよりは、銀行の外貨預金よりも手数料が少ないというところで始めたんですよね。
FX独自の金利が付くんで、外貨預金よりはいいでしょうと始めてたんですけども。
やっぱりFXならトレードで儲かるんじゃないかということで、少しずつトレードにハマって。

危険な予感。

あるときちょっと大きなお金を溶かしてしまい、やっぱりこれはマズいなって。
そんなこんなで、ちょうど2014年ですかね、NISAの制度が始まった年なんですけど。
それまでどっちかというと株式投資=ギャンブルの印象が強かったんですけども、これからは投資の時代だなと考えて勉強しながらスタートという形です。
金利でお金を増やすイメージがあったんで、最初は配当で有名な企業に投資したんですけど、あまりうまくいかず。

銘柄選定があまりうまくいかなかった?

今考えるとですね、知識もなかったし勉強もしてなかったんでしょうね。
例えばなんでしょう、本当は高配当株の銘柄を選ぶときは、会社の財務内容を確認したり成長性を見たりして選ばなきゃいけないんですけど。
最初は配当利率とか名前を知ってる企業っていうのに、どうしても目先がいってしまうので。
いくつかの上手くいかなかった株は、昔は割と財務優良企業だったんですけどね。
ただやっぱり今の知識があれば多分買わなかったかな。
今見れば財務諸表にそろそろ危ないぞ、という兆候が。

当時から出ていた?

そうですね。
利益に対して配当の比率が高い、配当性向が高い状態だったんで。
ただ当時はそんなこと全く知らないですけどね。

そういう経験もあって、いろいろ勉強されたんですね。

その後はいろいろ調べていくうちに、J-REITとかインフラファンドっていう投資先にも投資するようになります。
インフラファンドはもっと人気になってもおかしくない

どんなきっかけでJ-REITとかインフラファンドに行き着いたんですか?

そうですね、最初は何も考えずに個別株を買って、損してしまったので。
なるべく安定して高配当が得られる投資先は何かなって探し始めたんですね。
そこで最初に出てきたのがJ-REITっていうのがあるよと。

中身は不動産でしたっけ?

中身は不動産投資の投資信託です、と。
であれば不動産投資って割と、現物の不動産として一般的じゃないですか。
大家さんで家賃を貰ってということであれば、業績にあんまり左右されたりしないのかなと。

確かに安定してそうですね。

ビジネスモデルとしては一般的だし、株式みたいに企業業績によって配当が上下することも少ないだろうし、これはいいかなと。
その流れでもっと利率が良いのがあるぞ、と見つけたのがインフラファンド。
インフラファンドは太陽光発電投資を信託にしたものなんですけども。
これいいんじゃないかと、買いながら勉強しながら。
だから多分一般的な個人投資家さんに比べて、僕はJ-REITやインフラファンドの比率が高いですね。

確かにJ-REITとかインフラファンドを、ポートフォリオに3割くらい組み込む人って、あんまり見かけないですよね。

そうですよね。
もっと人気があってもいいんじゃないかなって思うんですけど。
結構考えますよね、これがなんであんまり人気が出ないか、どっかに落とし穴があるんじゃないかと思って。

確かに何かありそうですよね。

それでいうと利率は高いんですけど、インフラファンドに対する法的な優遇制度が期間限定なんですよ。
例えばそうですね、FIT制度という高い価格で電気買ってもらえる制度も、20年限定の措置だったり。

限定っていっても20年もあるんですね。

太陽光発電の利益を投資主に還元すると法人税が優遇されるっていう、Jリートとかと同じ税制優遇措置があるんですけども、インフラファンドだけこれも20年限定なんですよ。
だからそういったリスクがあって高い利率なんだなっていうことがわかったんですけど。
まだ20年あるのでここしばらくは大丈夫でしょうっていうことがわかったので、ちょっと投資してるって感じですね。

FIT制度の20年のスタートってどこから数えるものなんですか?

えっとですね、FITの固定買取の制度は、発電所ごとにFIT制度の認可を受けて、発電をスタートした年から。
なので発電所ごとに違いますね。

仮に今年、太陽光発電の発電所を作ったとしたら、今年から20年?

そうですね。
なので新しく作ったファンドの方が発電所も新しいので、長く恩恵が得られますね。

なるほど。

もう一つは法人税の優遇制度。
こちらも20年限定っていう話をしたんですけども、これはインフラファンドが上場した日からですね。

もし仮にですけど、新しいインフラファンドが今後ポツポツと出てくるとしたら、新しいやつに乗り換え続けた方が優遇制度を受け続けられるってことですよね?

そうですね、新しい方がいいです。
ただ優遇制度だけ考えれば確かにそうなんですけど、そこはいろいろファンドによって特徴があるので。
そうですね例えば、九州に多くの発電所を持ってるインフラファンド。
九州地域って太陽光発電所がたくさんありすぎて実は出力制限という、要はもうこれ以上太陽光発電されたら困るってことで、電力会社から制限をかけられてしまうんですよね。

そんなことがあるんですね。

だからできれば九州以外の地域に多い方が有利です。
一応ファンドの人もプロなので、いろいろ投資先は考えてると思うんですけど。
例えば日本海側の発電所っていうのは、冬に雪が降るじゃないですか。
雪が積もってしまうと発電できないので、すごく効率が落ちたりするので。
そういうとこに発電所を持ってるファンドも結構あったりして、というところを避けてくといいかなと思います。

株式投資とは全然視点が違うんで、そういう意味での取っ付きにくさっていうのは、ちょっとあるのかもしれないですね。

そうですね。

例えば日本株とか米国株とかって、結局やってることは一緒じゃないですか。
だから日本株がわかれば、米国株もなんとなく手を出せると思うんですけど。
それでいうと今お話しを伺って、インフラファンドはまた全然別の新しいものだなって感じました。

そうですね確かに、株式投資はその企業に投資するという形で企業の見方がわかれば、日本でもアメリカでも基本的には変わらないんですけど。
インフラファンドとかJ-REITもそうですけど、なんていうか不動産投資に近いですよね。
J-REITなら不動産で、インフラファンドが太陽光発電ですけど、何かそういう一つの資産を持って、そこから発生する利益を貰っていくっていう形で。
もうやることは決まってて、あとはどれだけいい資産を持ってるファンドに投資するか、というところを見ていく感じですね。

条件付きとはいえ、高利回りが魅力的だなと思いました。

魅力的ですよね、でも今は若干低いぐらいですよ。
僕が買ったときはさらに高利回りだったんで。
別に何かね、ファンドが無価値になって無くなった物があるかといわれたら、今のところないので。
僕も向こう5年ぐらいやってはいますけど。
やっぱり一応上場投資信託なので、きちっと管理状況、運用状況とかは公開されるので。
そういう意味では、例えば新興企業の株式みたいなことはないですね。

それは安心ですね。

インフラファンドはあと5年ぐらいだったら全然今の利率でいけると思いますよね。
ただ優遇措置の期限が切られてるので、その動向によっては期限近くなってくると、だんだん怪しくなってくるかもしれないんですけど。
ただそういう税制とかって、結構変わるじゃないですか。
インフラファンドも1600億円ぐらいの市場なんですけど、それが無くなりますっていったら、色んなところから反発も出ますし。
太陽光発電自体は国も進めてる事業なので、また期限が延びればいいなと個人的には思ってますね。

有望な投資先として今後も続くと嬉しいですね。
今日のお話しを伺った限りではかなり良さそうに聞こえましたけど、でもインフラファンドの話題ってあまり見かけませんよね。

インフラファンド人気ないですよね。
知らないのか、警戒してるのか。

知らないんじゃないですか。

知らないんですかね、知らないんだろうな。
時間を自由に使える悠々自適な生活に憧れて

ご自身のブログで早めにリタイアしたいと書かれてますよね。
この早めにリタイアしたい、その理由について聞かせてください。

最近思うのは時間って大切だなって、すごく意識するようになりましたね。
年代的なものもあるんですかね。
時間を自由に使いたいっていう思いが強いんですけどね。
経済的に成り立たないと生活できないので、1日の大部分は仕事に取られると。
仕事をしなければならないから、一つの場所に住んでなきゃいけない。

例えば色んなところに引っ越してみたいとか、もしくは旅行してみたいとか。
そういった思いがあるっていうことですか?

そうですね。
引っ越したいっていうよりは、例えば最近憧れてるのはキャンピングカーを持っていろいろ回ってる人たちをよく見るんですけど。
それで日本一周とかじゃないですけど、そういうのすごく憧れますね、やってみたいですね。

楽しそうですね。

結構いろんなとこに行くのは好きなんですよ。
仕事でも出張が多くて、地方のいろんなとこを回ったりしてるんですけど。
仕事じゃなくて気ままにずっと旅してみたいなっていうのはありますね。
そういう生活を送るためには、お金も要りますし。

確かに。

時間も要るし。

ですね。

拘束のない立場が要りますよね。
例えばFIREじゃないですけどそういう自由な生活、すごくいいなと最近感じ始めてるので。
少し早めにリタイアして悠々自適な生活を送るのも、自分の人生の時間の使い方としてはいいのかなと考えるようになりました。

自由な生活を目指す前の、お金を増やしたいっていう動機は、どこからくるものだったんですか?

そうですね、あまり深く考えたことなかったんじゃないかなと思って。
貯金の金額が増えていくと楽しいというか。

いや、楽しい楽しい(笑)

楽しいですね(笑)
ただあまり目的は深く考えてなかったんじゃないのかな、とくに若いときは。
年代の要所要所で、例えばマイホームが欲しいとか車が欲しいとか、そういうのはありましたけど。
大きな意味ではあんまり深く考えてなかったと思いますね。

なるほど。

やっぱりYouTubeとか見てるときに、FIREっていう生き方もあるんだなぁと。
なんですかね、人生何のために生きるかって考えたときに、哲学的な話になりますけど、人はやっぱり幸福になるために生きるんだよなと。
幸せになりたい、なるために生きてるんだよなと思って。
それは好きなことをやったりして過ごすのが一番幸せだよね。
そのために何が必要か考えたときに、まずはお金が必要だよね。
というところで、そういうことにお金を使うために資産形成するのかな、という風に今は考えてますね。
インタビュー後記
インカムゲインを主眼に置いた投資にインフラファンドがあることを全く知らなかったので、とても勉強になりました。
正直ドルで配当を貰っても、円に換えて使う手間がめんどくさくて結局再投資した。
そんな経験あなたにもありませんか?
筆者はあります。
なので配当を貰うなら円がいいと考えているのですが、その選択肢が増えたという意味でとても興味深いお話しでした。
ひろにさんはインフラファンドやJ-REITなど、インカムに強い銘柄の情報発信をされています。
もちろん高配当株の話も扱っておられるので、興味が湧いた方はぜひ一度ご覧になってください。