アセットアロケーションとポートフォリオ。
わかるようでわからない2つの単語。

まずは言葉で説明するより、以下の図を見てください。

アセットアロケーションとポートフォリオ

左側がアセットアロケーションで、右側がポートフォリオです。

なるべく簡単に説明すると。

  • アセットアロケーション

    資産全体における各資産クラスの内訳
    投資の方針を決める指針のようなもの

  • ポートフォリオ

    各資産クラスを構成する具体的な銘柄
    投資して出来上がった銘柄の組み合わせ

つまりアセットアロケーションという名前の設計書をベースに、
資産を組み合わせた結果がポートフォリオということ。

※資産クラスとは投資対象となる資産の種類や分類。
代表的なものに株式・債券・不動産など。

とはいえ言葉の意味を知るだけじゃもったいない!

アセットアロケーションとポートフォリオ。
どちらも投資の意思決定において、とても重要な要素です。

この記事では両者の具体的な内容を掘り下げて解説します。

2022年年初からの株価下落に冷や汗をかいた。
そんなあなたにこそ、アセットアロケーションの再確認をオススメします。

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アセットアロケーションとは資産クラスの内訳

アセットアロケーションのハイライト

冒頭で説明した通りアセットアロケーションとは資産全体における各資産クラスの内訳です。

直訳すると。

  • asset=資産
  • allocation=割り当て

洋書でたまに使われるアロケーションするという表現。
あれは資産の割り当てを決めるといった意味合いです。

アセットアロケーションで投資結果の94%が決まる

ポートフォリオのリターンの違いのうち、94%はアセットアロケーションで説明できる。

なぜ資産の内訳を決める必要があるのか。
それはアセットアロケーションが投資結果のほぼすべてを決めてしまうから。

例えば、株式50%・債券50%というアセットアロケーションで運用するとしたら。
50%の株式をどの銘柄に投資しても、投資結果への影響は微々たるもの。

どんな金融商品を買うのか。
それよりも、まずは資産クラスの内訳を決めるのが重要です。

では実際にどうやってアロケーションするのか。
次は資産クラスの内訳を決めるための、根本的な要素を見てみましょう。

リスクをとる能力とリスクをとる意欲

アセットアロケーションを決めるにあたり、特に重要なポイントが2つ。

  • リスクをとる能力
  • リスクをとる意欲

リスクをとる能力とは。

  • どれだけ収入があって
  • 生活費がいくらかかって(生活防衛資金)
  • 近い将来にどれだけ支出があるか(学費、住宅ローンなど)

つまり投資に回せる余剰資金がどれだけあるのか。

次にリスクをとる意欲、こちらは好みの問題です。

暗号資産のように乱高下する資産を大量に保有しても何も感じない人もいれば。
小額のインデックスファンドを積み立てているだけでも、株価の下落でチャートから目を離せなくなる人もいるでしょう。

これは実際に投資経験を積みながら、心地よい距離感を見つけるしかありません。


アセットアロケーションの考え方をまとめると。

  1. まずは投資に回せる余剰資金を明確にする
  2. 次に小額から株式投資を始めてみる
  3. 夜眠れなくなるようなら、
    株式の割合を減らしたり、値動きが緩やかな債券などのアセットを混ぜてみる

といったところです。

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ポートフォリオとは各資産クラスを構成する具体的な資産

ポートフォリオのハイライト

ポートフォリオとは各資産クラスを構成する具体的な銘柄です。

具体例として、以下のようなものがあります。

  • 株式ならトヨタやApple、VTやレバナスなど
  • 債券なら日本国債やAGGなど

先ほど『アセットアロケーションで投資結果がほぼ決まる』といいました。
それはポートフォリオが適当でいい、という意味ではありません。

投資結果に占める割合が低いとはいえ、具体的な金融商品選びも重要。
特にポイントとなるのが分散コストです。

投資対象を分散してリスクを散らす

卵を一つのかごに盛るな。
という有名な格言があります。

一つの籠に盛った卵は、その籠を落としたら全部割れてしまう。
ここから転じて、投資対象を広く分散しましょう、という意味で使われます。

かといって個別株を何十、何百と買い揃えるのは非常に手間。
ここで出てくるのが投資信託です。
数百、もしくは数千もの株式への分散が、たったひとつの投資信託で実現できます。

コストの安さがリターンにつながる

そして投資信託といえば信託報酬。
保有しているだけでずっとかかり続けるコストです。

コストが安ければ何でもいいわけじゃありません。
ですがコストが高いものは全部ダメです。

例えば年利3%を期待できる投資信託があったとして。

  • コスト3%ならリターン0%
  • コスト0.1%ならリターン2.9%

これは極端な例ですが、コストは確実にリターンを食いつぶします。
安いものを選びましょう。

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アセットアロケーションを決めてからポートフォリオを当てはめる

ポートフォリオとアセットアロケーションの違いとは。

  • アセットアロケーション

    資産全体における各資産クラスの内訳
    投資の方針を決める指針のようなもの

  • ポートフォリオ

    各資産クラスを構成する具体的な銘柄
    投資して出来上がった銘柄の組み合わせ

つまりアセットアロケーションという名前の設計書をベースに、
資産を組み合わせた結果がポートフォリオということ。

図で見るとこんな感じ。

アセットアロケーションとポートフォリオ

投資結果の9割以上を左右するアセットアロケーション。
まずはこのアセットアロケーションを決めましょう。

重要なポイントは2つ。

  • リスクをとる能力
  • リスクをとる意欲

アロケーション出来たら次はポートフォリオ。
具体的な金融商品を選びます。

金融商品を選ぶとき重要なのは分散コスト
広く分散が効いてコストの安い投資信託が、有望な投資先になります。

アセットアロケーションとポートフォリオ。
この2つを理解して、投資との程よい距離感を探してみてください。