老後資産形成を始めるなら、非課税口座を活用しないと損しちゃいます!
非課税口座は大きく以下の2つ。
- つみたてNISA
長期投資のサポート制度
- iDeCo
自分で作る年金制度
※NISAも非課税口座ですが、この記事では取り扱いません。
名前だけは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
でも具体的にどんな制度かと聞かれると・・・。
そんな方も安心してください!
この記事ではつみたてNISAとiDeCoの特徴をわかりやすく比較します。
読み終わるころには、あなたにはどちらが向いているか、その答えが見つかります。
つみたてNISAの特徴
- 資金拘束なし
- 金融商品の選択肢が多い
- 信託報酬以外のコストがほぼゼロ
つみたてNISAの大きな特徴はこの3つ。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
資金拘束なし
つみたてNISAはいつでも好きなタイミングで金融商品を売却できます。
投資は余剰資金でやるものとはいえ、急に現金が必要になったとき換金性の高さは魅力です。
投資初心者でも、最初の一歩を踏み出しやすく融通を利かせやすい。
それがつみたてNISAの特徴のひとつです。
金融商品の選択肢が多い
つみたてNISAは金融庁が選んだ201本の金融商品から投資対象を選びます。
※2021年10月25日時点※金融機関により取り扱い本数は異なります
数多くのラインナップから選べるので、あなた好みの商品を見るけられることはモチロン。
加えて以下の条件を満たした商品のみが対象です。
ぼったくりの粗悪品をつかむ心配もありません。
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
・販売手数料はゼロ(ノーロード)
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
金融庁の示した条件をなるべく簡単にいうと・・。
- 購入時の手数料なし
- 保有中にかかる手数料もなるべく安い
つまり手数料が安く長期投資に適した商品。
それだけがつみたてNISAの対象として選ばれるんです。
信託報酬以外のコストがほぼゼロ
投資で大きく費用がかかるのは以下の4つ。
- 商品購入時の購入時手数料
- 商品保有中の信託報酬
- 商品売却時の信託財産留保額
- 分配金や売却益に対する課税
つみたてNISAでは、1と4のコストはゼロ。
3も大半の商品でゼロです。
なので実質的なコストは2. 商品保有中の信託報酬のみ。
余計なコストが掛からないのは長期投資においてとても重要なポイントです。
iDeCoの特徴
次はiDeCoの特徴を見ていきます。
- 資金拘束あり
- 金融商品の選択肢が少ない
- 信託報酬以外にもコストが掛かる
- 節税効果が高い
つみたてNISAと比べるとデメリットだらけ?
そう見えても仕方ありませんが、メリットとデメリットは表裏一体。
iDeCoの特徴も詳しく見ていきましょう。
資金拘束あり
iDeCoの掛金は原則60歳まで受け取れません。
例えば25歳の人がiDeCoに加入すると、35年の資金拘束があるということ。
とても大きなデメリットに思えますよね。
でも実はコレ、メリットにもなるんです。
長期投資が失敗する最大の原因は、よかれと思ってあれこれ手出ししてしまうこと。
暴落に耐えられなくて売ってしまったり、流行りのファンドに乗り換えてみたり・・・。
iDeCoは資金拘束される、つまりどれだけ暴落しても売れないんです。
新型コロナ以降の上昇相場しか知らない人には、うってつけかもしれません。
金融商品の選択肢が少ない
iDeCoでは基本的に35本の金融商品の中から投資対象を選びます。
つみたてNISAと比べると、その差はおよそ6倍。
この35本は金融庁が選ぶわけではなく、金融機関が自由に選びます。
なので金融機関によって取扱商品が大きく異なるのもiDeCoの特徴です。
加入者による運用商品選択(運用商品が多すぎてどの商品を選べばよいか難しい)の支援策として、加入者に提示される運用商品の数の上限が35商品(ただし、令和5年4月末までは35商品を超えている場合があります)と定められました。
信託報酬以外にもコストが掛かる
iDeCoの対象商品も大半が投資信託なので、つみたてNISAと同様のコストが掛かります。
それ以外にもiDeCo特有のコストがあります。
- 加入時手数料
- 収納時手数料
- 口座管理手数料
- 給付事務手数料
- 給付金にかかる税金
個別の説明は省略しますが、つまり何がいいたいのかというと。
iDeCoは信託報酬以外にも相当額のコストが掛かるんです。
ここで気を付けておきたいのが、iDeCoの運用で定期預金を選ばないこと。
金利が低いので確実に手数料負けして、資産が減ります。
iDeCoを始めるなら、手数料以上の成長を見込める投資信託を運用する。
という前提に立ちましょう。
節税効果が高い
こんなにコストが高いならiDeCoなんてやらない!
と考えるのは時期尚早。
つみたてNISAには無くてiDeCoには有る、最大のメリットが節税効果です。
iDeCoの掛金は全額所得控除として扱われます。
例えば掛金が20,000円、所得税・住民税がともに10%とすると。
年間で48,000円の減税になります。
加入年数が20年を超えると、100万円以上の節税効果が見込めます。
確かに手数料はそれなりに取られますが、それを補って余りある節税効果が最大の魅力。
節税効果は以下のサイトで簡単にシミュレーションできます。
今日からiDeCoを始めたらどれくらい節税できるのか。
ぜひあなたの目で確認してください。
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)に加入した場合、掛金の所得控除など3つの税制優遇があります。「かんたん税制優遇シミュレーション」は年収、年齢、掛金を入力し、掛金の所得控除でどれくらい税制優遇を受けられるか計算することが可能です。ぜひご利用下さい。
つみたてNISAとiDeCo徹底比較
つみたてNISAとiDeCoの全体像がつかめたでしょうか。
ここからは時系列に沿ってつみたてNISAとiDeCoを比較してみます。
- 口座開設まで
- 運用中
- 出口戦略
3つのタイミングで、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのか。
詳しく見ていきましょう。
口座開設まで
- つみたてNISA
始める前に決めておくことが少なく、気軽に始められる
- iDeCo
事前準備が多く、始めるまでに時間がかかる
2つの非課税制度の入り口を比べると、お手軽さはつみたてNISAに軍配が上がります。
つみたてNISAは投資対象を決めておけば始められる
つみたてNISAは対象商品を金融庁が決めます。
なので金融機関ごとの取扱商品の差が少ないのが特徴です。
つみたてNISAを始めるまでの流れはざっくりと。
- 金融庁のホームページで対象商品を選ぶ
- その商品を取り扱っている金融機関を選ぶ
- NISA口座開設手続き(約1カ月)
こんな感じです。
3のNISA口座開設手続きは、申請しただけで一応NISA口座が使えるようになります。
そのあと税務署の審査があり、審査の結果が出るまでが約1カ月です。※仮に税務署の審査に落ちると、それまでに買い付けた分は特定口座に移動します。
相当マイナーな商品を選ばない限り、メジャーなネット証券ではほぼ取り扱いがあります。
実質、投資対象を決めるだけで準備完了なので、かなりお手軽です。
iDeCoは準備もあるし手続きに時間もかかる
iDeCoの対象商品は各金融機関が選びます。
つみたてNISAとは違って、金融機関ごとに取扱商品がガラッと変わるんです。
またiDeCo特有の制約で、掛金が年に1回しか変えられません。
ここも事前に慎重に決めておくべきポイントです。
以上を踏まえてiDeCoを始めるまでの流れは。
- 興味がある金融機関の取扱商品の中に、投資したい商品があるか探す
- 投資したい商品が見つかるまで1を繰り返す
- 掛金上限までの範囲で、月々の掛金を決める
- iDeCo口座開設手続き(約3カ月)
こんな流れです。
金融機関ごとに取扱商品が違うので、各金融機関を調べて回らないと商品が分からず。
掛金も年に1度しか変更できないので、家計の負担にならないよう事前に決めておき。
そして口座開設手続きにも長い時間がかかる。
なんにせよ時間がかかるので、iDeCo開設は先手先手で動く必要があります。
運用中
- つみたてNISA
いつでも自由に売却できるので、余計な手を出さないよう我慢
- iDeCo
基本的に60歳まで引き出せないのでほっとくだけ
始めるときはめんどくさかったiDeCo。
ですが運用期間中は、つみたてNISAにはないメリットが有ります。
つみたてNISAは誘惑に耐える日々
つみたてNISAには資金拘束がないので、いつでも自由に保有資産を売れます。
一件メリットのように思えます。
しかし長期投資においてはとても大きなデメリットです。
特に投資を始めて間もない頃は、色々な情報に一喜一憂します。
Twitterで話題のアレのほうがいいかも、YouTubeではこんなこと言ってる・・・。
相場も2020年以降の上昇相場がずっと続くわけではありません。
ITバブル崩壊のような長期に渡る暴落が、いつかは来るでしょう。
いつでも売れる。
それは長期投資を妨げる誘惑に常に抗い続けることを意味します。
iDeCoはほっとくしかない+継続的な節税メリット
iDeCoは原則60歳までは受け取れない、厳しい資金拘束があります。
暴落相場が来ても、できるのはほっとくことだけ。
こんな風に、ろうばい売りのリスクを無くせるのは、とてつもないメリットです。
厳密には売れないだけで、スイッチングができます。
※スイッチングとは、運用してきた商品を売却して別の商品を購入すること。購入時手数料と信託財産留保額に気を付けている限り、ろうばい売り程のデメリットはありません。
加えて運用中は掛金が全額所得控除となる節税効果を継続的に得られます。
運用中のおトクさは、完全にiDeCoに軍配が上がります。
出口戦略
- つみたてNISA
受け取るか特定口座に移管するか、どちらにせよコストゼロ
- iDeCo
受け取りに税金がかかり、最小限に抑えようとすると複雑な計算が必要
資産の受け取り方は圧倒的にiDeCoの難易度が高いです。
つみたてNISAは放置でも大丈夫
つみたてNISAの非課税期間は20年。
期間内に売却しなければ自動的に特定口座に移管されます。
一度利益確定して、引き続き運用が続くイメージ。
必要であれば受け取ればいいし、余剰資金であれば運用し続ければいい。
つみたてNISAの出口に関して、あまり気負う必要はありません。
iDeCoは一時金・年金として受け取り方を考える
一方iDeCoは、出口をしっかりと考える必要があります。
一時金、もしくは年金として受給できます。
しかし受け取りには手数料や税金がかかります。
運用益が非課税になり、運用中に節税メリットがある。
だとしても受け取り方を失敗して多額の税金を引かれてしまっては元も子もありません。
さらにiDeCoの出口を難解にするのが、税制が変わり続けること。
個々人のケースで最適解が変わるのはもちろん、税制の変更によっても答えが変わります。
iDeCoの出口で最適解を出すには、金融リテラシーを磨き続ける必要があるんです。
今すぐ投資を始めたい人はつみたてNISA
節税効果にメリットを感じる人はiDeCo
つまるところ、それぞれの非課税口座は以下のような方にオススメです。
- つみたてNISA
今すぐ投資を始めてみたい人
資金拘束がゆるいので、やっぱ違うとなっても撤退がカンタン - iDeCo
計画性を持って投資を進められる人
資金拘束は強いものの運用益+節税効果を考慮すると全体的なメリットはつみたてNISA以上
これらの非課税口座は同時に利用することもできます。
投資資金に余裕があれば、つみたてNISA・iDeCoどちらも利用するのが一番おトク。
もちろんどちらかだけでも構いません。
投資で大事なのは少しでも早く始めて、複利効果を最大限に得ること。
ちょっと興味はある、だけど難しそう・・・。
という方はまずつみたてNISAから始めてみてはどうでしょうか?
わたしは、つみたてNISAは楽天証券、iDeCoはSBI証券で投資しています。
使い勝手を書いた記事もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
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