全世界株式の魅力とは

全世界株式とはその名の通り、全世界の企業を集めた指数。
それに連動するインデックスファンドやETFを指します。

全世界株式の指数は大きく2つ。

  • MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス

    Morgan Stanley Capital International All Country World Index
    以下、MSCI ACWI

  • FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

    FTSE Global All Cap Index
    以下、FTSE GACI

最も大きな違いは含まれる株式の数。
MSCI ACWIは2,979本、FTSE GACIは9,385本。
※2021年9月末時点3倍近くも差があります。

ここ10年のチャートはこの通り。

MSCI ACWIとFTSE GACI の2010年から2020年のチャート
年利11%ほど、かなり勢いがあります。
※ACWI:MSCI ACWIに連動するインデックスファンド。※VT:FTSE GACIに連動するETF。

どちらも利回りはほぼ同じ。
ですが含まれる株式の数や国には、違いがあります。

ということでこの記事では、MSCI ACWIとFTSE GACIの違いを分かりやすく表形式でまとめました。
データは2021年9月末時点の公式情報をベースにしています。

全世界株式とひとくくりにされがちな両者。
その中身にはどんな違いがあるのか、ご覧ください。

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MSCI ACWI~先進国と新興国の大・中型株をカバーする指数

MSCIとは、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの略。
S&P500にも組み込まれている企業です。

企業名がそのまま指数名にも使われています。
代表的な指数を挙げると。

  • MSCI ACWI
  • MSCI JAPAN
  • MSCI コクサイ

などがあります。

MSCI ACWIの主な特徴は以下の通り。

  • 先進国23か国、新興国27か国の計50カ国が対象
  • 大・中型株の2,979銘柄に投資
  • 全世界株式市場の約85%をカバー
  • 浮動株調整後時価総額加重で重みづけ

浮動株とは発行済み株式のうち、会社の創業者や経営陣などが保有し、取引できない大量の株式を除外したもの。

FTSE GACI~先進国と新興国の小型株までカバーする指数

FTSEは特に何の略でもなく、フッツィーと読みます。
イギリス企業なので、S&P500には組み込まれていません。

FTSEの代表的な指数は以下の通り。

  • FTSE GACI
  • FTSE JAPAN
  • FTSEカイガイ

そしてFTSE GACIの主な特徴はコチラ。

  • 先進国25カ国、新興国24カ国の計49カ国が対象
  • 大・中・小型株の9,385銘柄に投資
  • 全世界株式市場の約98%をカバー
  • 浮動株調整後時価総額加重で重みづけ

浮動株とは発行済み株式のうち、会社の創業者や経営陣などが保有し、取引できない大量の株式を除外したもの。

MSCI ACWIとFTSE GACIを比較してみる

MSCI ACWIとFTSE GACIを比較してみる

MSCI ACWIとFTSE GACIを比べてみましょう。

利回りに大きな差はないので、どちらの指数に連動した金融商品を選んでも結果はほぼ同じ。
というのが結論なのですが・・・。

対象国や構成銘柄には違いがあります。

その違いをどう評価するかによって使い分ける。
というのも面白いかもしれませんね。

対象の国

  • MSCI ACWI

    先進国23か国、新興国27か国
    計50カ国が対象

  • FTSE GACI

    先進国25カ国、新興国24カ国
    計49カ国が対象

MSCI ACWIとFTSE GACIの、対象国の違いを表にまとめました。

対象国の違い(2021年9月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
先進国 ポーランド
韓国
新興国 アルゼンチン
ペルー共和国
ポーランド
韓国
ルーマニア

対象国の違いは大きく3つ。

  1. ポーランドと韓国の扱いが、先進国か新興国かで異なる
  2. アルゼンチンとペルー共和国はMSCI ACWIにだけ含まれる
  3. ルーマニアはFTSE GACIにだけ含まれる
MSCI ACWIとFTSE GACIに含まれる国の一覧は?
コチラです。

対象国一覧(2021年9月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
先進国 アイルランド
イスラエル
イタリア
オーストラリア
オーストリア
オランダ
カナダ
シンガポール
スイス
スウェーデン
スペイン
デンマーク
ドイツ
ニュージーランド
ノルウェー
フィンランド
フランス
ベルギー
ポルトガル
英国
香港
日本
米国
アイルランド
イスラエル
イタリア
オーストラリア
オーストリア
オランダ
カナダ
シンガポール
スイス
スウェーデン
スペイン
デンマーク
ドイツ
ニュージーランド
ノルウェー
フィンランド
フランス
ベルギー
ポーランド
ポルトガル
英国
韓国
香港
日本
米国
新興国 アラブ首長国連邦
アルゼンチン
インド
インドネシア
エジプト
カタール
ギリシャ
クウェート
コロンビア
サウジアラビア
タイ
チェコ
チリ
トルコ
パキスタン
ハンガリー
フィリピン
ブラジル
ペルー共和国
ポーランド
マレーシア
メキシコ
ロシア
韓国
台湾
中国
南アフリカ
アラブ首長国連邦
インド
インドネシア
エジプト
カタール
ギリシャ
クウェート
コロンビア
サウジアラビア
タイ
チェコ共和国
チリ
トルコ
パキスタン
ハンガリー
フィリピン
ブラジル
マレーシア
メキシコ
ルーマニア
ロシア
台湾
中国
南アフリカ

対象の株式

次は対象となる株式を見てみましょう。
※データは2021年9月末時点

  • MSCI ACWI

    大・中型株2,979本

  • FTSE GACI

    大・中・小型株9,385本

FTSE GACIの内訳は以下の通り。

  • 大・中型株 4,098本
  • 小型株 5,287本

大・中型株だけでも1,000本以上、小型株を加えると6,000本以上の差があります。

数の上では大きな違いですが、時価総額を考えると見た目ほどインパクトはありません。
※全体に影響を与えるほど時価総額が大きければ、MSCI ACWIにも組み込まれるので。

構成国比率トップ5

構成国トップ5と比率(2021年9月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
米国 59.56% 米国 58.38%
日本 6.20% 日本 6.80%
中国 4.07% イギリス 4.00%
イギリス 3.68% 中国 3.78%
フランス 2.87% カナダ 2.83%

米国・日本の2カ国で全体の2/3を占めているのはどちらも変わりません。

3位以降に若干の違いがありますね。

セクター比率トップ5

セクタートップ5と比率(2021年9月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
情報技術 22.33% 情報技術 22.21%
金融 14.38% 一般消費財 15.23%
一般消費財 12.44% 金融 14.15%
ヘルスケア 11.69% 資本財 13.87%
資本財 9.67% ヘルスケア 11.30%

米国の影響を色濃く受けてどちらも情報技術が1位です。

しかし採用している株式の数が大幅に異なる≒セクター比率も変わってきます。
そのため2位以降は順位と比率に若干の差があります。

構成銘柄比率トップ5

構成銘柄トップ5と比率(2021年9月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
Apple Inc. 3.59% Apple Inc. 2.97%
Microsoft Corp 3.07% Microsoft Corp 2.84%
Amazon.com Inc 2.27% Amazon.com Inc 1.91%
Facebook Inc A 1.24% Facebook Inc A 1.09%
Alphabet Inc A 1.22% Alphabet Inc A 1.08%

※表中のAlphabet IncはGoogleのこと。

構成銘柄トップ5は完全に一致しています。
※余談ですがS&P500とも完全に一致。米国の影響力の大きさがうかがえますね。

冒頭でお伝えした通り、FTSE GACIの方が銘柄数が多いです。
なので、ひとつの銘柄が占める割合が低くなり、全体的に比率が小さくなっています。

2000年代から2021年までの利回り

過去利回り実績(2021年9月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
1年 28.0% 29.1%
5年 13.1% 13.6%
10年 12.5% 12.5%
15年 7.8% 7.8%

※MSCI ACWIが1年前から28.0%増えて、15年前からおしなべて毎年7.8%増えました。という過去の実績をあらわした表です。

構成国や対象銘柄には差がありました。
ですが利回りに大きな差は無く、どちらも似たようなものです。


  • アルゼンチン・ペルー共和国を重視するならMSCI ACWI
  • ルーマニアを重視するならFTSE GACI
  • より分散のきいた、現代ポートフォリオ理論に忠実なFTSE GACI

ここまで見てきた内容で、例えば上記のような使い分けもできるでしょう。
しかし繰り返しになりますが、どちらも利回りは同程度です。

朝出かけるときに靴を右と左のどちらから履くか。
どっちでもいいですよね?
それよりも行き先に合わせて、靴の種類を選ぶ方が大事なはず。

どちらの指数に連動した金融商品を選ぶか。
それよりも大事なことは沢山あります。

細部にこだわるあまり、本質を見落とすことが無いよう気を付けたいですね。

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全世界株式に投資できる投資信託とETF

ここからは全世界株式に投資できる、投資信託とETFを紹介します。

注意事項

投資信託やETFに元本保証はありません。
最終的な投資判断は自己責任でお願いします。

全世界株式に投資できる投資信託

販売手数料 信託報酬 隠れコスト 純資産額 信託期間
eMAXIS Slim全世界株式
(オール・カントリー)
0% 0.11% 0.06% 3,177億円 無期限
SBI・全世界株式
インデックス・ファンド
0% 0.11% 0.02% 393億円 無期限

eMAXIS Slim全世界株式はMSCI ACWIに。
SBI・全世界株式はFTSE GACIに連動しています。

SBI・全世界株式の取り扱いはSBI証券のみ。
ほかの証券会社を利用している方は、必然的にeMAXIS Slim全世界株式になります。

表だけ見ても分からないよ、というあなたへ。
以下の記事で投資信託の選び方や目論見書の読み方を解説しているので、参考にしてください。

全世界株式に投資できるETF

販売手数料 信託報酬 純資産額 信託期間
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) 証券会社による 0.08% 2兆6,552億ドル 無期限

全世界株式に投資できるETFといえばVT。
バンガードが運営する超有名ETFです。

VTはFTSE GACIに連動しています。

ドル建てなので、円では取引できません。
証券口座にある円をドルに換えてから購入します。

全世界株式は忙しいあなたにピッタリな選択肢

全世界株式は忙しいあなたにピッタリな選択肢

全世界株式を投資のメインに据える一番大きなメリット。
それは、投資に時間を取られないことです。

全世界に分散されている。
つまり世界経済が発展し続ける限り、成長し続ける指数です。
※逆に世界経済が傾くなら、それは投資どころの話ではないハズ。

日本株、BRICs、米国株・・・。
どこにトレンドが移っても、全世界株式は恩恵を受けます。
※BRICsとは、Brazil・Russia・India・Chinaの頭文字を合わせた造語。2000年代にいっとき話題になった。

流れを読んで、その都度乗り換える必要はありません。

投資は趣味ではなく、資産形成の一手段と考えている人。
時間をかけず資産形成したい人にとって、全世界株式はピッタリの選択肢です。

参考サイト

記事執筆にあたり、参考にさせていただいたサイトの一覧。