【最終更新日:2022年8月11日】

インデックス投資の王道、全世界株として有名なMSCIFTSEフッツィー
正式名称は以下の通り。

  • MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
    Morgan Stanley Capital International All Country World Index
    以下、MSCI ACWI
  • FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

    FTSE Global All Cap Index
    以下、FTSE GACI

2つの指数の大きな違いは含まれる株式の数。
3倍以上の差があります。
※2022年7月末時点

  • MSCI ACWI:2,897株
  • FTSE GACI:9,380株

ここ10年のチャートはこの通り。

ACWIとVTの2010年からのチャート
年利11%ほど、かなり勢いがあります。
※ACWI:MSCI ACWIに連動するETF。※VT:FTSE GACIに連動するETF。

どちらもチャートの動きは、ほぼ変わりませんね。

指数の中身は大きく異なる。
その一方で利回りには差がない。

つまり商品選びの観点で、指数自体に優位性はありません。
それよりも信託報酬が安い商品を選ぶのが重要です。

この記事では2つのポイントを解説します。

  • MSCI ACWIFTSE GACIの違い
  • 信託報酬が安い投資信託・ETF

全世界株式ってなに?という方から、どちらを選べばいいかわからない!という方まで。
あなたの疑問に答えます。

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MSCI ACWI~先進国と新興国の大・中型株をカバーする指数

MSCIとは、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの略。
S&P500にも組み込まれている企業です。

企業名がそのまま指数名にも使われています。
代表的な指数を挙げると。

  • MSCI ACWI
  • MSCI JAPAN
  • MSCI コクサイ

などがあります。

MSCI ACWIの主な特徴は以下の通り。

  • 先進国23カ国、新興国24カ国の計47カ国が対象
  • 大・中型株の2,897銘柄に投資
  • 全世界株式市場の約85%をカバー
  • 浮動株調整後時価総額加重で重みづけ

※浮動株とは発行済み株式のうち、会社の創業者や経営陣などが保有し、取引できない大量の株式を除外したもの。

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FTSE GACI~先進国と新興国の小型株までカバーする指数

FTSEは特に何の略でもなく、フッツィーと読みます。
英国企業なので、S&P500には組み込まれていません。
※S&P500は米国企業のみで構成されるため。

FTSEの代表的な指数は以下の通り。

  • FTSE GACI
  • FTSE JAPAN
  • FTSEカイガイ

そしてFTSE GACIの主な特徴はコチラ。

  • 先進国25カ国、新興国23カ国の計48カ国が対象
  • 大・中・小型株の9,380銘柄に投資
  • 全世界株式市場の約98%をカバー
  • 浮動株調整後時価総額加重で重みづけ

※浮動株とは発行済み株式のうち、会社の創業者や経営陣などが保有し、取引できない大量の株式を除外したもの。

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MSCI ACWIとFTSE GACIを徹底比較

MSCI ACWIとFTSE GACIの比較
MSCI ACWI FTSE GACI
対象の国 47カ国 48カ国
対象の株式 2,897銘柄 9,380銘柄
構成国比率トップ 米国 61.97% 米国 60.53%
セクター比率トップ 情報技術 21.87% 情報技術 20.97%
構成銘柄比率トップ Apple Inc 4.46% Apple Inc 3.72%
5年利回り 8.4% 8.1%

MSCI ACWIFTSE GACIを比べてみます。

やはり最も目を引くのは対象の株式。
その差は3倍以上。

その他の項目も含めて、詳しく見ていきましょう。

対象の国

  • MSCI ACWI

    先進国23カ国、新興国24カ国
    計47カ国が対象

  • FTSE GACI

    先進国25カ国、新興国23カ国
    計48カ国が対象

MSCI ACWIFTSE GACIで、扱いが異なる国を表にまとめました。

扱いが異なる国(2022年7月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
先進国 ポーランド
韓国
新興国 ペルー共和国
ポーランド
韓国
パキスタン
ルーマニア

対象国の違いは大きく3つ。

  1. ポーランドと韓国の扱いが、先進国か新興国かで異なる
  2. ペルー共和国はMSCI ACWIにだけ含まれる
  3. パキスタンとルーマニアはFTSE GACIにだけ含まれる
対象国の一覧表(2022年7月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
先進国 アイルランド
イスラエル
イタリア
オーストラリア
オーストリア
オランダ
カナダ
シンガポール
スイス
スウェーデン
スペイン
デンマーク
ドイツ
ニュージーランド
ノルウェー
フィンランド
フランス
ベルギー
ポルトガル
英国
香港
日本
米国
アイルランド
イスラエル
イタリア
オーストラリア
オーストリア
オランダ
カナダ
シンガポール
スイス
スウェーデン
スペイン
デンマーク
ドイツ
ニュージーランド
ノルウェー
フィンランド
フランス
ベルギー
ポーランド
ポルトガル
英国
韓国
香港
日本
米国
新興国 アラブ首長国連邦
インド
インドネシア
エジプト
カタール
ギリシャ
クウェート
コロンビア
サウジアラビア
タイ
チェコ
チリ
トルコ
ハンガリー
フィリピン
ブラジル
ペルー共和国
ポーランド
マレーシア
メキシコ
韓国
台湾
中国
南アフリカ
アラブ首長国連邦
インド
インドネシア
エジプト
カタール
ギリシャ
クウェート
コロンビア
サウジアラビア
タイ
チェコ
チリ
トルコ
パキスタン
ハンガリー
フィリピン
ブラジル
マレーシア
メキシコ
ルーマニア
台湾
中国
南アフリカ

※MSCIとFTSEで先進国と新興国の扱いが違う国は、どちらかにしか含まれていない国はオレンジで記載※2021年12月:MSCI ACWIからアルゼンチンとパキスタンが除外※2022年3月:MSCI ACWIFTSE GACIからロシアが除外(関連ニュース – Bloomberg

対象の株式

次は対象となる株式を見てみましょう。
※データは2022年7月末時点

  • MSCI ACWI

    大・中型株2,897株

  • FTSE GACI

    大・中・小型株9,380株

FTSE GACIの内訳は以下の通り。

  • 大型株 1,867株
  • 中型株 2,247株
    大型株+中型株 4,114株
  • 小型株 5,266株

大・中型株だけでも1,000株以上、小型株を加えると6,000株以上の差があります。

構成国比率トップ5

構成国トップ5と比率(2022年7月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
米国 61.97% 米国 60.53%
日本 5.39% 日本 6.07%
英国 3.78% 英国 4.01%
中国 3.49% 中国 3.35%
カナダ 3.11% カナダ 3.10%

全世界株という名前ですが、約6割が米国に偏っているのが特徴です。
日本も2位につけていますが比率は6%ほど。米国の1/10しかありません。

セクター比率トップ11

セクタートップ11と比率(2022年7月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
情報技術 21.87% 情報技術 20.97%
金融 14.10% 一般消費財 14.12%
ヘルスケア 12.46% 金融 14.02%
一般消費財 11.58% 資本財 13.47%
資本財 9.58% ヘルスケア 11.85%
通信 7.54% 生活必需品 6.37%
生活必需品 7.40% エネルギー 5.16%
エネルギー 4.96% 素材 4.13%
素材 4.60% 不動産 3.67%
公益事業 3.11% 公益事業 3.35%
不動産 2.80% 通信 2.89%

米国の影響を色濃く受けて、どちらも情報技術が1位です。

FTSE GACIに小型株が含まれる影響で、2位以降は順位に差があります。

構成銘柄比率トップ10

構成銘柄トップ10と比率(2022年7月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
Apple 4.46% Apple 3.72%
Microsoft Corp 3.36% Microsoft Corp 3.14%
Amazon.com 2.08% Amazon.com 1.79%
Tesla 1.32% Tesla 1.13%
Alphabet Class A 1.18% Alphabet Class A 1.05%
Alphabet Class C 1.11% Alphabet Class C 0.96%
Unitedhealth Group 0.86% Unitedhealth Group 0.76%
Johnson & Johndon 0.77% Johnson & Johndon 0.69%
Nvidia 0.76% Nvidia 0.65%
Taiwan
Semiconductor Mfg
0.70% Exxon Mobil Corp 0.61%

AlphabetはGoogleの親会社。
MetaはFacebookの社名変更後の名前です。

Googleが2つもランクインしている理由。
それは株式が議決権有り(Class A)、無し(Class C)にわかれているから。

※議決権とは株主総会での投票権のこと。
通常の選挙とは異なり、株主総会では保有株数が多い人ほど発言権が強い。

構成銘柄トップ10の順位は完全に一致しています。
※余談ですがトップ6まではS&P500とも完全に一致。米国の影響力の大きさがうかがえますね。

冒頭でお伝えした通り、FTSE GACIの方が銘柄数が約6,000ほど多いです。
なので、ひとつの銘柄が占める割合が低くなり、全体的に比率が小さくなっています。

過去5年の利回りと過去10年の騰落率

過去利回り実績(2022年7月末時点)
MSCI ACWI FTSE GACI
1年 -10.0% -10.5%
3年 9.0% 8.8%
5年 8.4% 8.1%

MSCI ACWIが1年前から6.8%減って、5年前からおしなべて毎年9%増えました。
という過去の実績をあらわした表です。

MSCI ACWIとFTSE GACIの過去10年の騰落率
1年ごとに区切ってみると、どれくらい上げ下げしたのかを表すグラフ。

過去5年の利回りや過去10年の騰落率はほぼ同じです。

指数が持つポテンシャルは同程度。
ということは運用成績に差が付くのは外的要因。

つまり信託報酬によって利回りが大きく左右されるということ。

次は低廉な信託報酬で全世界株式に投資できる、投資信託とETFを見ていきます。

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全世界株式に投資できる投資信託・ETF

ここからは全世界株式に投資できる投資信託・ETF。
その中でも特に信託報酬が安く設定されているものを紹介します。

  • 投資信託とETFのどちらが好みか
  • どの証券口座を使っているか、もしくは開設予定か

いくつかのケースで使い分けを考えてみましょう。

全世界株式に投資できる投資信託

2022年8月10日時点
eMAXIS Slim全世界株式
(オール・カントリー)
SBI・全世界株式
インデックス・ファンド
連動指数 MSCI ACWI FTSE GACI
販売手数料 0% 0%
信託報酬 0.1144% 0.1102%
隠れコスト 0.061% 0.012%
純資産額 6,384億円 687億円
信託期間 無期限 無期限

まずは投資初心者にも扱いやすい投資信託から。

定額・定期買付けできます。
なので初期設定以外、手間がかからないのが魅力です。

投資信託からは2本。

  • eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
  • SBI・全世界株式インデックス・ファンド

どちらもとても優秀なインデックスファンドです。
隠れコストを含めた実質コストではSBI・全世界株式インデックス・ファンドが若干優秀。

なのでどちらを選ぶか迷ったら、SBI・全世界株式インデックス・ファンドでしょうか。

全世界株式に投資できるETF

2022年7月31日時点
iシェアーズ
MSCI ACWI ETF
(ACWI)
バンガード・トータル・
ワールド・ストックETF
(VT)
連動指数 MSCI ACWI FTSE GACI
販売手数料 証券会社による 証券会社による
信託報酬 0.32% 0.08%
純資産額 181億ドル 235億ドル
信託期間 無期限 無期限

次はETF。
リアルタイムに価額が変わり、柔軟に取引できるのが魅力です。

全世界株式に投資できるETFは、いくつもあります。
その中でも信託報酬が安いものといえば、名実ともにこの1本。

  • バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)

メジャーな証券会社なら、どこでも取り扱いがあります。
なのでETFで全世界株式に投資するなら、まずはVTから、というイメージです。

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実質コストで比較するとFTSE GACIに軍配が上がる

MSCI ACWIFTSE GACI
双方とも長期的な成長が見込める、有望な投資先です。

信託報酬+隠れコストで計算する実質コスト。
ここだけで見るとFTSE GACIに連動する商品に軍配が上がります。

とはいえ誤差程度の話です。
どちらを選ぶかよりも、少しでも早く投資を始める方が、投資成績に大きな影響を与えます。

参考サイト

記事執筆にあたり、参考にさせていただいたサイトの一覧。